ここにside.htmlが読み込まれる

H26 創成化学工学実験 4班

4班

 

1. テーマ選定の理由

実験テーマを調べていたところ、アミラーゼでデンプンを分解するとヨウ素デンプン反応の色を変えられる事を知った。この実験を、化学部で前から行っていた時計反応と合わせる事でさらに発展させることができると思い、このテーマに決定した。

 

2. 原理

a. 時計反応

亜硫酸水素ナトリウム( NaHSO )水溶液とヨウ素酸カリウム ( KIO )水溶液の2液を混ぜ合わせると次の3つの反応が起こる。

 

  1. IO + 3HSO → I + 3SO2- + 3H
  2. IO + 5I + 6H → 3I + 3H
  3. + HSO + HO → 2I + SO + 3H

 

反応 1. で I が生成され、反応 2. で I に変わる。 I は茶色であるが、HSO が存在すると反応速度がとても早い反応 3. により、Iが無色の Iに一瞬で変化する。溶液中のHSO がなくなると 3. の反応が起こらなくなるので、I の分解が止まって I の濃度が上がり、溶液が茶色になる。反応 2. は反応速度が遅いので、HSO が消えるまでに時間がかかる。よって反応が始まってから色が変わるまでに時間がかかる。

 

b. ヨウ素デンプン反応

デンプンはグルコースが沢山つながってらせん状になっているものである。

 

図1. デンプンの構造

 

このらせん状の構造の中にヨウ素 Iが入り込むと、吸光が起こり色がつく。

この色はデンプンの長さによって変化して以下の表のようになる。

 

表 1 グルコースの長さと呈色の関係

鎖長(グルコース残基)  らせんの長さ      色    
12 2 無色
12~15 2 褐色
20~30 3~5 赤色
35~40 6~7 紫色
45 9 青色

 

普段身近にあるデンプン(片栗粉、ジャガイモなど)は長い鎖長の状態なので青紫色になる。しかし、分解して長さを短くしていくと呈色を変えることができる。

 

デンプンはデンプン分解酵素アミラーゼで分解することができる。アミラーゼはα-アミラーゼとβ-アミラーゼがある。β-アミラーゼはデンプンをグルコース2個単位で切るが、α-アミラーゼはランダムに切るため、より早くデンプン鎖を短くすることができる。

 

3. 実験内容

 a. 時計反応

水250mLに亜硫酸水素ナトリウム1.30gを溶かして0.05M-NaHSO3を作った。水250mLにヨウ素酸カリウム1.07gを溶かして0.02M-KIO3を作った。作った溶液を恒温槽に入れ、25℃に温めた。

 

それぞれの溶液を10mLずつとり、混ぜあわせて反応時間を測定した。さらに0.02M-KIO3を8mL、6mL、4mL、2mL取り、それぞれに水を加えて10mLとした溶液も同様に反応させ、反応時間を測定した。

 

 b. デンプンの分解

デンプンを水に加え、加熱して溶かしデンプン溶液を作った。でんぷん溶液にヨウ素液を入れて着色し、わずかに色の変化が見られるまでアミラーゼを加えて時間経過による色の変化を観察した。

 

 c. 時計反応とデンプンの分解を合わせた実験

デンプン溶液250mLに亜硫酸水素ナトリウム1.30gを溶かしてデンプン入り0.05M-NaSO3を作った。デンプン入り0.05M-NaHSO310mLと0.02M-KIO3 10mLを混ぜあわせて反応させた。

 

上記の条件であれば他者でも再現することができる。

 

4. 結果

 a.時計反応

表2 溶液の濃度と反応時間の関係

0.05M NaHSO3[mL] 0.02M KIO3[mL] H2O[mL] 反応時間[s]
10 10 0 14.4
10 8 2 17.5
10 6 4 22.0
10 4 6 30.6
10 2 6 反応しない

 

図2. 0.02M-KIO3の量と反応時間の関係

 

 b. デンプンの分解

デンプン溶液の色は 青 → 紫 → 赤紫 → 桃色 → 白色 の順に沈殿が発生した。

図3. 発生した沈殿

 

 c. 時計反応とデンプンの分解を合わせた実験

アミラーゼを入れてから時計反応を行うと茶色になった。

図4. アミラーゼを混ぜて時計反応した結果

 

この結果から条件を変えて実験をして、以下のような結果になった。

 

  1. アミラーゼの量を少なくする → 茶色
  2. 時計反応の濃度を半分にする → 茶色
  3. アミラーゼ粉末をろ過してから反応させる → 茶色
  4. アミラーゼをデンプンに入れた直後に反応させる → 茶色
  5. 低温で反応させる → 茶色

 

5. 考察

 a. 時計反応

測定結果はプロットが一つの曲線上に並んだため正しいと思われる。また、反応全体の挙動もおかしいところはなかった。

 

 b. デンプンの分解

溶液自体に色がつくのではなく、該当する色の沈殿が発生した。これは、アミラーゼに吸着したデンプンが大量にあるためだと考えられる。今回の実験ではアミラーゼは水に溶けなかったためこのように沈殿として呈色したと考えられる。

 

 c. 時計反応とデンプンの分解を合わせた実験

溶液が茶色になったということは析出したヨウ素の色がそのまま出てきたと考えられる。よって、デンプンは無色になるまで分解されたか、析出したヨウ素の量が多すぎたことの2つが考えられる。そのため、様々な条件で実験をしたがいずれも茶色となってしまった。特に、a,c,d,eの結果から時計反応中の生成物質のいずれかがアミラーゼの強力な活性因子となったことを否定できない。

 

6. 結論

時計反応とα-アミラーゼによるデンプン分解を組み合わせた実験を成功させるためには、アミラーゼの量や分解時間、濃度、温度などの多数の因子を厳しく定める必要性が高いと考えられる。

 

7. 感想

今回の実験では、だれでもできる有名な実験を2つに組み合わせて新しい実験を作ることに挑戦して、とてもいい経験になったと思います。思うような結果が出ずにとても悔しいです。

 

8. 参考資料・使用画像

 

9. 高専祭の様子

 

 

物質化学工学科Top

一関高専Top